親元の賃貸を離れたのが、13歳のころ。理由は、両親が離婚してしまったからだ。
4歳の弟も居たが、あいつともはぐれたっきり会っていない。きっと独りで賃貸に紛れ込んでいるんだろう。
はじめに僕が行ったのは、カンボジアだった。
日本では何かと窮屈な点が多いので、カンボジアの安い賃貸で羽を伸ばしながら生活をした。
僕が行ったのはリゾート地で、本来賃貸を借りるのもひと苦労なはずがだったが、うまくもぐりこめた。
そこで一応、義務教育を終えて賃貸に特化した大学に進学したが、落第したので日本に帰ってきた。
それから10年の月日が経ったが、僕は相変わらず地域を転々と変え、賃貸に住み続けた。
あるときは郊外の賃貸へ。またあるときは都心の賃貸へ。
郊外に住んだときはひどかった。3畳の風呂なしトイレなしキッチンなし収納なし賃貸物件で、銭湯が24時に閉まるので、それを逃したら次の日の仕事は、だいぶ油ギッシュにテカッた状態で行かなくてはならない。
都心の賃貸は良かった。56畳あって最新設備が整っていたので天井からはフルーツバスケットが降りてきたし、全自動キッチンでは、メニューを押すだけで料理が出来た。何不自由の無い最高の賃貸であった。
こんな自由気ままな生活をしてても、やはり賃貸より気になるのは離れ離れになった家族だ。
どうしてるんだろうな、キミコ母ちゃん。